本文へスキップ

イギリスにおけるヴィーガン生活:現状、法律、そして実践ガイド

イギリスはヨーロッパ有数のヴィーガン人口を誇り、外食やスーパーの選択肢も充実しています。しかし動物福祉法には依然として課題が多く、そのギャップを埋める市民運動も活発です。

更新日 · 2026年8月17日

簡潔な答え

イギリスでの植物ベース生活はかなり容易で、ヴィーガン人口は全人口の約2.5%と推定され、主要スーパーには専用コーナーがあります。法律面では動物は「感覚を持つ存在」と認められつつも、家畜の屠殺前 stunning(失神)義務などの具体的規制には抜け穴があります。

要点

  • イギリスのヴィーガン人口は推定で約130万人(人口の約2.5%)に達する。
  • 2021年の農業法で動物を「感覚を持つ生き物」と公式に認めたが、実際の福祉規制はEU離脱後も大きな変化がない。
  • イギリスの一人当たり肉消費量は年間約84kgで、ピーク時から減少傾向にある。
  • 主要スーパー(Tesco, Sainsbury's, M&S)はすべて自社ブランドのヴィーガン製品ラインを持つ。
  • フィッシュ・アンド・チップスやローストディナーなど、伝統料理のヴィーガン版が全国的に普及している。
  • 2024年時点で、イギリスでは化粧品の動物実験が禁止されているが、家畜の福祉基準はEU離脱後も同等水準を維持している。
約130万人
ヴィーガン人口
人口の約2.5%(2023年調査推定、The Vegan Society)
84kg/年
一人当たり肉消費量
骨付き重量ベース、2022年DEFRA統計
9億ポンド
植物ベース食品市場規模
約1,700億円、2023年推定(Mintel)
1998年
動物実験禁止年
化粧品とその成分の動物実験を全面禁止(EU指令1998年)

イギリスは欧州の中でもヴィーガン&ベジタリアン人口が多く、ロンドンを中心に植物ベースのレストランが急増しています。動物福祉への関心も高く、毎年ヴィーガン人口は増加傾向にあります。

The picture today

イギリスでは現在、推定で人口の2.5%(約130万人)がヴィーガン、さらに約7%がベジタリアンまたはペスクタリアンです。この数字は業界団体The Vegan Societyの委託調査によるもので、実勢はやや変動します。

肉消費量は一人当たり年間約84kg(骨付き重量ベース、2022年DEFRA統計)で、1960年代のピークからは約30%減少しています。ただし、鶏肉の消費は増加しており、生産現場での過密飼育が問題視されています。

スーパーマーケットではTesco、Sainsbury's、M&Sなどが独自のヴィーガンレンジを持ち、ロンドンだけでなく地方都市でも選択肢が広がっています。

Animal welfare law

イギリスの動物福祉法の基盤は2006年動物福祉法で、飼育下の動物に対する「合理的な必要性」を超えた苦痛の防止を定めています。しかし、家畜(農場動物)は法的に「感覚を持つ存在」と認められたのは2021年の農業法が初めてで、それまでは民法上の「財産」として扱われていました。

EU離脱(Brexit)後、イギリスは独自の動物福祉基準を導入すると表明しましたが、2024年時点で家畜の屠殺方法や輸送条件などに関する具体的な規制はEU時代とほぼ同じです。集団的な雌豚の妊娠ストール(狭い檻での繋養)は禁止されていますが、去勢や除角などの苦痛を伴う手技には麻酔義務がなく、動物福祉団体は改善を求めています。

また、フォアグラの生産は禁止されていますが、輸入は合法で、全国の高級スーパーで購入可能です。こうしたギャップが、市民によるロビー活動や訴訟の対象となっています。

Eating plant-based here

伝統的にイギリス料理は肉・乳製品中心ですが、植物ベースの郷土料理も存在します。代表的なのは、マッシュルーム・ペッパーポット(キノコと野菜の煮込み)、オートケーキ(オーツ麦のパン)、トフィーアップル(りんごの飴がけ)などです。

スーパーでは、リンガー(ソーセージ風)プラントベースミルク(オーツ・アーモンド・ソイ)ジャックフルーツ缶ベジタブル・ストックなどが標準的に並びます。特筆すべきはViveraや**Oumph!**などのブランドで、バーガーやケバブ風製品が冷凍・冷蔵ケースに常備されています。

都市別では、ロンドンのCamden TownBrick Laneがヴィーガンレストランの密集地帯で、Brightonも英国で最もヴィーガンに優しい都市として知られます。地方でもVマーク付きメニューが一般的で、パブの多くがヴィーガン・サンデーローストを提供します。

Cost of living plant-based

植物ベースの食事は、肉や乳製品を買うより一般的に安価です。英国栄養財団の2023年の試算では、豆類・野菜・穀物を中心とした食事は、平均的な食費の約15%削減になるといいます。

ただし、加工ヴィーガン製品(ハードチーズ風、ミートボール風など)は畜産品と同等かそれ以上の価格です。節約するなら乾燥豆類(ひよこ豆、レンズ豆)と冷凍野菜の利用が鍵で、これらはどのスーパーでも1ポンド(約200円)以下で購入できます。

ロンドンでは外食費用が高いですが、Greggsのヴィーガンソーセージロール(1.70ポンド)やItsuの豆腐ヌードルなど、手頃な選択肢もあります。予算を抑えたいならLidlやAldiのヴィーガンレンジが最適で、生鮮野菜は市場やToo Good To Goアプリを活用すると廃棄を減らせます。

Who to support locally

地元で活動する動物保護団体として、The Vegan Societyはキャンペーンと認定制度(Vegan Trademark)で最も有名です。Compassion in World Farmingは家畜の福祉改善を専門に、Animal Justice Projectは工場型農業の実態を調査・告発しています。

また、**RSPCA(王立動物虐待防止協会)**は主に伴侶動物ですが、農場動物の認証も行っています。地域のボランティア活動に参加したり、Farm Sanctuary(約10の保護施設)を訪れたりすることもできます。

政策提言に関心があるなら、The Food Foundationが食料システムの公正さに関するデータを公開しており、Sustain: The Alliance for Better Food and Farmingが小規模農家と植物ベース食の連携を進めています。

What to watch next

イギリスでは2024年にスコットランド政府が「ビーガン・チャレンジ」を開始し、市民に植物ベース食を試すよう促しました(任意参加)。今後の焦点は、農業補助金の配分学校給食の植物ベースオプションの拡大です。

2025年にはEU離脱後の動物福祉法の見直しが予定されており、与党の公約として「すべての新しい動物福祉法を国際水準に合わせる」とされています。動物実験の代替法も研究が進み、UK有機食品基準は依然として世界で最も厳格な部類に入ります。

最後に、気候変動の観点からも、イギリスの気候変動委員会は2025年に「肉消費を20%削減する」勧告を出しています。この流れは今後も続き、個人の選択を超えた制度設計が問われるでしょう。

よくある質問

よくある質問

はい、非常に簡単です。主要スーパーにヴィーガン専用コーナーがあり、外食先も豊富です。特にロンドンやブライトンでは選択肢が多く、地方でも魚介類や肉の代替品が標準的に販売されています。学生街や観光地では英語のヴィーガンメニューも充実しています。

やさしいニュースレター

週1回、動物保護の朗報、プラントベースのヒント、読む価値のある気候変動の記事をお届けします。

迷惑メールなし。ワンクリックで解除できます。